RX GAKUEN

CASE STUDY導入事例

GAKUENシリーズを導入いただいた大学様の声をご紹介しています。

共立女子大学様導入事例

「Qlik Sense」を活用した内部質保証および各部署のメリット
~10,000名
IR・データ利活用
業務効率化
2023.03.24
共立女子大学

共立女子大学

大学紹介

「女性の自立と自活」を建学の精神に据え、数多くの女性の社会進出を支え続けている共立女子大学・共立女子短期大学。自然科学や社会科学、人文科学系の学部のなかに医療や芸術、メディア、建築デザインなどが含まれる“小さな総合大学”としてきめ細やかな教育を行い、最新のIT設備を備えた都心にあるキャンパスで充実の就職サポート体制を敷いています。「自律と努力」「創造とキャリア」「協働とリーダーシップ」をビジョンに掲げており、リーダーシップ修得のための体系立てたカリキュラムを持つなどリーダーシップ教育に力を入れています。

 今回は、大学企画課 教学企画グループ 大樂様にQlik Senseを活用した内部質保証システム構築に向けた取り組みについて伺いました。


 

 導入済みプロダクト

 

 

  GAKUEN EX1.5

Base, 教務, 入試, 就職

  UNIVERSAL PASSPORT RX1.0

Base, 教務, 就職, アプリ, 授業, 出欠管理,

IC出欠連携, 学生, 教室, 学修ポートフォリオ,

マイステップ, 研究業績, シラバス一括印刷,

履修カルテ

 

BIツール導入の目的・経緯を教えてください。

 

 本学では2013年にIR推進プロジェクトを発足いたしました。わたし自身は2016年からIR推進プロジェクトに参画しており、現在はIRの他、大学に係る様々な計画・企画・将来構想の検討、自己点検・評価、認証評価の業務に携わっています。2016年にわたしがIR推進プロジェクトを担当した当時は、大学にIRの意味や目的が根付いていない上、わたし自身も十分にIRのことを理解できている状況ではなく課題が多く残っていました。本学のIRとは何かを明確にする必要がありました。このような課題を受けて中期計画の中で、適切な情報提供を実施することで学長執行部、各学位プログラム、事務局各課・室で行っている活動を支援し、IR機能のメリットを教職員に対して浸透させることを計画に入れました。

 

この計画は大きく5つのSTEPに分けて実行しました。まずSTEP1~3として、規程の整備やIR担当へ依頼する際のルール整備、データを基に議論するための情報として「ファクトブック」や「データで見る共立」、「分析レポート」を作成・提供しました。

 

 

 このような情報を提供することでデータは学内に流通しますが、大事なことはデータを届けるだけではなく、大学の質保証にIRが貢献することと理解していました。STEP4~5として、各所で小さなPDCAを回し、それを通じて大学全体で大きなPDCAを回すことで、IRデータを踏まえた意思決定、政策策定に繋げていくことが次の課題でした。

 本学としてはIR活動を通じて①全学的な質保証、②学位プログラムレベルの質保証、③授業レベルの質保証、この3層に対して「IRを活用した改善」を基盤にPDCAサイクルを機能させ内部質保証を推進したいと考えていました。ポイントは「組織的に一体的なストーリー」ということで、情報を提供して意思決定するのではなく、学長執行部、各学位プログラム、事務局各課・室と一緒に組織的に質保証していくことを目標に掲げました。

 

 下記、左の図はIR業務の流れを表した図です。大学執行部、事務局、IR担当者という3つのアクターがいる中で、どのようにして良質の意思決定を生んでいくのかを表現しています。事務局からデータを収集し、IR担当者は大学執行部に対してデータの報告を実施しますが、大事なことは3つのアクターが連携して、課題やニーズの特定、データの構築、データの報告も分かりやすく実施するということです。しかしながら、様々な事務局・部署からデータを受領し分析をする中で、データの加工やクレンジングに時間がかかり、実際の分析やレポート作成に十分な時間を割けないという課題がありました。

 

Qlik Senseを活用した内部質保証システムをどのように構築したか教えてください。

 この課題を解決する手段としてBIツールの導入を検討しました。BIツールには様々な製品がありますが、本学では多数のGAKUEN・UNIVERSAL PASSPORT製品を導入している点、JASTからのサポートも対応いただける点、コスト等を総合的に判断してJASTから提案のあったQlik Senseを導入することで決定しました。Qlik Sense導入にはデータをいつでも閲覧できる環境にすることで、意思決定や課題発見につなげていく狙いがあり、その施策の1つとしてQlik Senseを活用した「学部カルテ」を導入し、保有する様々なデータ/情報をいつでも見られる環境を構築しました。

 

 下記は本学の内部質保証システムを表現したものです。内部質保証の主体となる全学部門、研究科、学部等に対してIR担当部署はデータを「学部カルテ」としてQlik Senseを用いて提供しています。いつでもどこでも見れる状態にすることで、エビデンスに基づいた議論・コミュニケーションが生まれやすい環境が作られます。GAKUEN製品に加え、各部署で保持しているExcel・CSVデータ、PROGテストのデータ等全てのデータをQlik Senseに統合し可視化できています。IRが提供するデータによりエビデンスに基づいて各部門は自己点検・評価を行い、適切なPDCAサイクルが推進され、大学全体の内部質保証に繋がっています。

 

Qlik Sense導入の効果・今後の展望を教えてください。

 

 Qlik Sense導入により様々な効果が出ています。「より早く・より正確に・より分かり易く」データ分析を実施することができるようになっています。

 

より早く:データの収集、結合、クレンジング、集計、可視化の作業時間が激減しました。例えば、「アドミッション委員会」から「入試選抜妥当性検証」のための資料作成を依頼された場合、これまでは各課からデータを入手し、結合、クレンジング、集計、可視化までおおよそ13日程度(1日3時間×13日)作業に時間を要していました。Qlik Sense導入後は「入試選抜妥当性検証」の専用シートをすでに作成済みのため、データの抽出・可視化をすべて自動で実施できるため、資料作成は3時間程度に抑えることができています。この3時間はデータの加工、集計にかかる時間ではなく、すべて分析に充てている時間です。分析をメインに時間を活用できるようになったのは大きなメリットと考えています。

 

より正確に:データの収集、結合、クレンジングの必要がないため、より正確なデータが提供可能になりました。Excelで手動加工する場合は、どうしてもミスが発生する可能性がありますし、毎年作成するルーティーンワークだとしても同じ作業を実施する必要がありました。Qlik Senseで上述の通り自動でデータ抽出・可視化が可能なため、ミスが発生しにくく、ルーティーンワークも実施する必要はありません。

 

より分かり易く:Excelよりも優れた「データの可視化」が可能です。やはり、ぱっとみて分かり易い情報は意思決定につなげやすいと考えています。Qlik SenseによりIR機能が強化され「より速く、正確で、美しい納品物で、意思決定の高速化」を実現できています。

 

 さらに今回、実際にQlik Senseを利用いただいている部署の方にインタビューをいたしましたので、一部を紹介いたします。

 

 

 また今後の改善点として、学内へのさらなる利用促進(利用者増により会議の円滑推進に期待)、パフォーマンス改善(データ量によりやや挙動が遅くなる)、グラフの色を簡単に編集できるようにしたい、といった声もいただけました。いただいた要望の改善に向けて検討を進めて参ります。

 

 IRを起点に、学内に教育改善や経営改善のためのコミュニケーションを生み出し、経営・現場のすべての関係者が「やろう!頑張ろう!」と心の底から思い、改善につなげていければと思います。

下記ポイント念頭に、IR機能の強化による内部質保証を引続き推進して参りたいと考えています。

 

・必要な時に必要な情報を必要なタイミングで

・データはできるかぎり分かり易くシンプルに

・学内のキーマンに適切にフィードバックしてコミュニケーションを生み出す

 

 

※上記の導入事例は2022年10月時点の内容です。